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2012年07月03日(火)

売買システムの最適化(9)カーブフィッティング [MetaTrader4]



今回はもう少しパラメータが増えたシステムで最適化を行ってみます。

パラメータが増えたといっても、システム自体が複雑になったわけではなく、単純な移動平均の交差を利用したシステムです。

但し、ここでは移動平均を求める際に、それぞれの終値に掛ける重みをすべて変えるという方法でパラメータを増やしてみます。

5つの終値を利用してi番目の移動平均値MA(i)を求めるのですが、最初の重みだけ1とし、その他の重みはh1,h2,h3,h4と変数にして変化できるようにします。最後に重みの合計で割り算をしてチャート上に表示できる形にします。

MA(i) = (Close[i] + h1*Close[i+1] + h2*Close[i+2] +h3*Close[i+3] + h4*Close[i+4])/(1+h1+h2+h3+h4);

これは信号処理の分野でFIRフィルタと呼ばれるもので、この重みを一定にしたものが単純移動平均(SMA)で、係数を直線的に変化させたものが線形加重移動平均(LWMA)です。

売買システムは移動平均の交差なので、もう1本移動平均線が必要となりますが、ここでは、上の移動平均線をshiftだけシフトしたものを利用します。

このようなシステムに対してパラメータの最適化を行ってみます。パラメータの範囲はshiftが0から20までh1,h2,h3,h4はそれぞれ-1から1まで0.01刻みで変化させてみます。

組合せの数は300億を超えるので、さすがに総当りはできません。もちろん前回説明したようにパラメータの刻み幅を大きくすることで組合せの数を減らすことができますが、今回は敢えて組合せの数が多い状態で遺伝的アルゴリズムがどのように機能するかを検証してみたいと思います。

このシステムをEUR/USDの日足データ2011年の後半6ヵ月分に適用させて最適化した結果です。最適化を10回繰り返して、それぞれ最も利益の大きかったものを並べてあります。

画像(450x211)・拡大画像(609x286)

これを見てわかるように、10回すべて違う結果となりました。

これはどういうことかと言うと、唯一の最適解は探すことができず、たまたま探索した範囲の局所解を探して終わったということです。

では、このような最適化の結果、売買システムは最適になったでしょうか?試しに利益の最も大きかった場合のパラメータを使った資産曲線を出してみます。

画像(450x70)・拡大画像(800x125)

確かに最適化しただけあって、大きなドローダウンもなく順調に資産が増えていっています。

今度は、同じパラメータのシステムを別の期間、2012年の前半6ヵ月間に適用させた結果です。

画像(450x70)・拡大画像(800x125)

あまりよくありませんね。これは明らかにバックテストの期間でよい結果が出るように最適化した感じです。これがいわゆるカーブフィッティングというものです。

このように組合せの数が多くなると、その中でたまたまうまく行く結果が紛れ込んでいます。

実は最適化で求めた移動平均線は次のような形をしています。

画像(450x215)・拡大画像(800x383)

移動平均とは程遠い形ですね。説明上、移動平均という言い方をしましたが、重みがマイナスになっていることから平滑化ではなく、一つ前のバーとの差を拡大するような指標になっていたのです。

このように激しく変化する指標ではパラメータのわずかな差が大きな違いとなって現れることになります。要するに最適化の解空間の中でスパイク状の局所解がたくさん存在するような形状だということが想像できます。これではカーブフィッティングになっても仕方ないでしょう。

今回、意図的にカーブフィッティングとなるシステムを作成しましたが、パラメータの組合せの数が多くなると、知らず知らずにカーブフィッティングになってしまうことも多いかと思います。

やはり、パラメータの数は少ないに越したことはないということですね。


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プロフィール

豊嶋久道

2003年よりFX取引を始め、システムトレードの道へ。最近ではFXオプション取引も含めたトレーディングシステムの研究を行っている。システムトレードを基礎から正しく理解するための情報を発信する予定。

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