2008年11月25日(火)
二つのボラティリティ [オプション取引]
前回のおさらいです。オプションの価格、その中でも特に時間価値は、ボラティリティと大きく関係があります。
ボラティリティが大きければ時間価値も大きいし、逆にボラティリティが小さければ時間価値も小さいといった具合です。
ところで、前回の続きですが、実際のボラティリティはどうやって算出されるのでしょう?
ここで、二つのボラティリティを紹介します。
一つはヒストリカルボラティリティ(HV)と言って、過去のデータから求めたボラティリティです。
20日から30日程度のデータの標準偏差を取って、年率に換算したものです。
前回の記事でメタトレーダー4のプログラムを紹介したのは、このヒストリカルボラティリティです。
そして、もう一つのボラティリティはインプライドボラティリティ(IV)と言って、満期までの未来のボラティリティの予想値を表します。
しかし、これは具体的に10%とか15%と予想するわけではなく、オプション価格からブラックーショールズ方程式で逆算した値で表します。
ここで、インプライドって、英語で「Implied」なんですが、「含蓄された、暗に含まれた」という意味です。
ボラティリティそのものの値が直接わかるわけではなく、オプション価格から間接的に求めるので、こんな言い方をするんだと思います。
ボラティリティとオプションの価格は連動しているので、市場参加者が将来価格が変化しそうだと予想すれば、オプションの価格は高くなります。
その結果、その高くなったオプション価格から逆算したボラティリティ、IVも自然と高くなります。
また逆にしばらく価格が変化しないと予想すれば、オプション価格も下がり、結果的にIVの値も低くなります。
ところで、HVとIVの関係ですが、下の図は、USD/JPYの1ヶ月満期のオプション価格から求めたIVと終値の20日間の標準偏差から計算したHVのグラフです。
だいたいの動きは同じですが、IVは相場の急変で急に変化することが多いですが、HVは20日間の標準偏差を取るので、平滑化されて、少し遅れた形で変化が現れます。
IVはあくまで予想なので、IVの急変後にHVも同じように推移する場合もありますが、予想が外れて実際には大きな変化にはならない場合などがあることがわかります。
しかし、これまで高くても20%程度だったUSD/JPYのボラティリティもIVが瞬間的に40%に達し、実際のHVも30%近くを推移しているということから、今回の金融危機での相場の動揺ぶりは歴史に残る高水準だということがわかります。
何事も更新されない記録はないということですね。
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Posted at 15時38分







